懐靴 Tomo uni iroikas edition
Mr.K loves 4months.

昨年10月に嫁いだ靴が、
久しぶりに里帰りしました。

語弊を恐れずに云うならば
凄く助平な履き皺だな… とっても。うん。

とまぁ邪な表現は置いといて
今回のご依頼は、屈曲部から先の「返り」が
つくまでに減り易い、leather soleの爪先補強。

歩行する際の磨耗によって
ヒドゥンチャネルを超え、
出し縫い糸がこんにちわ。
早速修理していきます。

使うのはJRオークバーグの端切れ。
靴を製作する際に出るこちらを用いて
共素材の減った部分を修繕します。
何事も無駄にはしません。

そのまま貼っつけるとモッコリしちゃうので
靴の減り具合に合わせて形を切り出した後、
革包丁で角度をつけていきます。オークバーグは硬いので
勢いで切りすぎないように厚みにも気をつけます。

靴の底面にもほんの少し刻みを入れ
糸を切らない程度に包丁で角度をつける。
底面側と材料側の角度がうまく揃ったら
接着し面一になるようにハンマーで叩く。
力任せだとウェルト周りが変形してしまうので
優しさを持ち寄りながら繊細に殴打。

少し時間をおいて接着が落ち着いたら
大きめにとっていた革材をトリミング。
指がちょっと汚めですね。ケアしなきゃ。

細か目の鑢掛けしたら着色して馴染ませ
爪先だけでなくコバ周りにコテを一周。
ここから更にもう一仕上げ。

ジェリーフィッシュ装着。
革底を部分的に切削して嵌め込む
ヴィンテージスティールと違いこちらは
取り外し可能なタイプの補強金具。

歩くたび音がするので賛否分かれますが
それも一興だと仰ってくれるのが嬉しく想います。

K君、ご依頼有難う御座いました!

竜崇縫靴店